ギター嫁入り
Vigierは再び海を渡る
あれはそう10年前のことだった
まだ東日本大震災の爪痕が生々しかった2012年
一通の手紙が届けられた
その時の話を書いたのがこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/gakudanhitori/diary/201210160000/
うちの家宝と言っても良いギターVigier Alppegeを売ってくれという熱い手紙
正直その時は悩んだ
悩んだ末に吹っ掛けた
結果保留
しかしその時売るときは彼にと心に決めていたのだ。
それから10年が経過した
人の心境が変わるには十分すぎる時間である。
かく言うワタクシも当時は珍しいギターを買っては喜ぶアホでした。
しかし震災以降テーマが「再生」へと移っていき
現在は「欲しいギターは自分で作れ、もしくは安くジャンクを仕入れて治せ」に変わってしまった。
そんな中久しぶりに彼からメールが届いた。
「今自分にはこの金額が精いっぱいであるがまだ売ってくれる気はあるだろうか」と言う内容。
このメールを見た時Vigierは自分の所での役目は終わったなと思ったんですよ。
ハイエンドのギターを所持して経験するということで得られたものは非常に多い
でももういい。
10年間散々弄り回して超えられる壁、超えられない壁色んなことを教わった。
もうこのギターは次のストーリーに移ってもいいんじゃないかと
そう考えたわけですよ。
彼は異国オーストラリアの地で子育てしながら頑張って金貯めて30年あこがれ続けたギターを手に入れる。
Vigierはフランスの地で生まれ、日本に輸入され、何故か田舎のハードオフに売られ、そんで俺に買われて長い間眠った後海を渡る
ドラマじゃないかロマンじゃないか
うん
いいよ
もう惜しくないよ
ホントはちょっとだけ惜しいけどかまわないよ
嫁に出す!
月曜には彼の手に届くだろう